英語が好きじゃないという中学生と話していると、「単語が覚えられない」という言葉をよく聞きます。同じセリフを口にする生徒たちですが、その「覚えられない」という質には3種類あります。自分がどの段階でつまずくのか理解していると、暗記勉強の時に成果が出やすくなります。
単語が覚えられない3つの種類
日本語の環境で育った場合、一般的に図の上から順に簡単に感じます。
・1番目は「英単語→日本語の意味」
英単語のスペルを見て日本語の意味がわかるかどうか。
・2番目の「日本語の意味→英単語の発音」
日本語をお題として出したときに、対応する英単語がなんというか思い浮かぶかどうか。
・3番目の「英単語発音→英単語スペル」
英語でなんというかわかっている単語を実際に書けるかどうか。
まず、自分はどの段階で苦手かどうかを考えてみましょう。
・テストで英語の長文を読んだときに、意味がわからない単語がたくさん出てくるようなら1番目が原因でつまずいています。
・英作文などの問題で、全くなんと書いていいかわからなかったら2番目が原因でつまずいています。
・英作文などの問題で、「あー!あの単語なのに書けない!」ということや、自分では書いたつもりなのにテスト返却ではスペルミスでバツがついているなら3番目が原因でつまずいています。
この3番目の単語スペルを書けるようになるまでが重要ですが、「わかってたのに書けなかった」とわかっていた方に気持ちが向いてしまってその後復習をしない人が多い気がします。
ここで「書けなかった」に注目して、悔しく思い次回は書けるまで練習しようと思う生徒が伸びる生徒です。
それぞれの段階を覚えることができたらこんな良いことが!
英単語を読んで日本語の意味がわかれば、長文の内容を理解できます(基本文法はわかっていたとして)。並び替えの問題や単語選択問題を解くことができます。
日本語から英単語の発音を思い出すことができたら、発音問題ができます。リスニングに強くなります。単語スペルを覚えやすくなります。
英単語の発音から単語のスペルを書けるようになったら、穴埋め問題を解くことができます。英作文で単語が書けずに間違えることはありません。並び替えなどの問題でスペルミスをしなくなります。
英単語が読めるって大事
日本語⇔英語に単語を書けるようにしましょう、といつも言っています。この時、英単語をなんと読むかわからないままひたすら書いて覚えようとしてしまう子が英語が苦手な生徒の中には多いです。difficult を ディー アイ エフ エフ・・・と一生懸命見て書いています。
これではスペルをなかなか覚えにくいのです。
単語の発音が読めないということは、上に書いた段階の②だけでなく③もできない状態になってしまいます。
英単語をノートに書く練習というのは、目に見えた形で勉強した事実が残ります。努力や意欲の証拠として、先生に評価もされやすいです。そのためか、覚えることよりも書くことが目的となっているノートでの練習をしてしまっている場合があります。
書くことはとても重要です。覚えやすいです。でも、その前に、英単語を口に出して読めるようする1ステップを間に入れてみてください。形が残る勉強ではありませんが、必ず自分の力になります。
単語を書いて覚える効果的な方法は、次の記事に書きました。
→「英単語の暗記は口と手を動かして体に覚えさせよう」