論説文とは、一体どのような文章のことでしょうか?
論説文とは、あるテーマについて筆者が自分の考えを述べている文章のことです。
学校で意見作文というものを、書いたことはありませんか?意見作文とは、その言葉の通り「自分の意見を、文にしたもの」ですよね。論説文も、それと同じだと思ってください。
論説文に書かれていること
論説文は、普段私たちが使っている言葉よりも難しい言葉で書かれていることが多いため、内容も難しく感じます。
また、書かれている話題(テーマ)も、学校で友達と話すような内容とはちょっと違いますよね。普段の会話より、もっと大きなテーマについて書かれている物が国語のテストには使用されています。
そこで、文章を読んだ時に、「これは難しいのではないか」と最初から拒絶反応を持ってしまうことが多いのですが、もったいない。
論説文は、実はとても読みやすい文章です。
なぜなら、論説文は「筆者のある1つの言いたいこと(主張)についてのみ」書かれているからです。
テスト問題の文章では、必ず1文章1主張です。
論説文の問題文を読むときに気をつけること
論説文はどれだけ長い問題文であったとしても、一貫して筆者のある1つの意見を言いたいがための文章です。
でも、突然筆者がぽんっと一文で意見を書いたとして、読んでいる方「???」となってしまいますよね。
『本当の「楽しさ」とは、「自分」の中から創り出されるものである』
(参考:2014年度福井県高校入試問題:森博嗣『自分探しと楽しさについて』の文章より)
いきなりこの一文だけ読んで、筆者の本当に言いたいことは伝わるでしょうか。
はっ?
いきなりなんの話?
言いたいことはわかるようなわからないような・・・
とまどってしまいませんか?
筆者は、自分の言いたいことを相手にわかってもらいたいために、その主張を裏付けるための文章を長々と書いています。
- その話題についての事実
- 具体例
- 筆者の意見
このような内容が書かれているのですが、一番大切なのは3番目の「筆者の意見」です。
文章を読んでいて、筆者の考えていることや感じている内容を見つけたら、特にその部分に注目しておきましょう。
特に、最後の段落に筆者の考えはまとめられていることが多いので、注意して読んでみましょう。
具体例は主テーマではない
論説文を読んでいると、具体例がたくさん出てきます。
具体例はイメージがしやすいため、文章を読むのが苦手な人でも頭に入ってきやすいです。
人間の頭は、自分が知っていることの方が気づきやすく記憶にも残りやすいですからね。
しかし多くの場合、国語テストの論説文の主張は大きなテーマについて書かれています。
上に書いた福井県の高校入試問題の例で言うと、次のような具体例が書かれています。
- 工作セットの話題
- レトルトパックの料理の話題
- ファッション雑誌の通信販売の話題
- 小説の読みやすさの話題
ひとつひとつの話題が、知っている知っていると読み進めていくことができます。
でも、筆者は、工作セット、レトルトパック、ファッション雑誌、読みやすい小説についてのみ、言いたいことがあるわけではありません。
それらをひっくるめて「楽しいことって、人から与えられるんじゃなくて自分の中から創り出されるんじゃない?」ってことを言いたいのです。
主張は多くの場合、抽象的な言葉で書かれています。
そのため、そこを読み落とすことが多いのですが、漠然とした抽象的な言葉にこそ注意が必要です!
論説文の難しさとは
論説文は、慣れてくるととても読みやすい文章です。
でも、最初はとっつきにくく感じます。
それは、普段読んでいる文章とは違う文体、難しい漢字や言葉、日常生活になじみのないテーマ、であるからです。
読めない漢字が多くある場合は、その後勉強がうまく進まないのでまずは漢字の読みの練習をしましょう。
文体は、問題を多く解いていく上で慣れてきますが、論説文の本を読んでみることも良いでしょう。高校入試に出されたことのある筆者の作品を選ぶと、良いと思います。
日常になじみのないテーマである事が多いですが、これも論説の文章を読んでいくうちに色々な考えが予備知識として蓄積されていきます。(予備知識はあくまで予備知識です。テストの問題に答える時は、一旦その知識は忘れましょう。)
まとめ
論説文は、あるテーマについて筆者が自分の意見を主張している文章。
主張は、一つの文章(問題文)で一つだけ。多くの場合は、抽象的な内容です。
筆者の考えに注目しながら、問題文を読みすすめていきましょう。
論説文は、日常使わない文体や言葉を使って書かれているので、漢字が読めない場合は読み方の練習をしましょう。