国語のテストで文章を読んだとき、とても難しい文に感じたことありませんか?そう感じることがあるなら、語いが足りないのかもしれません。先日、NHK Eテレ の「テストの花道」という高校生向けの勉強のコツを紹介する番組で、語いを増やす方法が特集されていました。中学生にも使えそうな内容だったので、紹介と感想を書きますね。
意味のわからない言葉だらけで書かれている文章だと、文章全体の意味がわからなくなりますよね。
国語のテストでは、特に説明文や論説文で日常生活では使わない言葉が多く用いられています。そのため、文全体が難しく感じるんです。でも、その言葉を自分のものにできたら、読解問題を解くときに問題文が頭の中に入りやすくなります。
そのための方法が、今回のテストの花道のテーマです。
タイトルは「デキルやつに変身!日本語探検隊」
語いを増やすための方法は3つ。
1) 言葉の森に入って知っているつもりをなくす
2) 言葉の森でワードハンティング
3) 言葉の森で必要な言葉をねらい撃ち
(番組で紹介されたやり方については、NHKのホームページを参考にしてください。)
この3つの方法を、国語が苦手、平均的、得意な3グループに分かれて高校生が2週間実践。
その結果、どのグループも2週間前より、小論文を書くときの表現が広がりより難しい言葉を使っていることがわかりました。
1)知っているつもりをなくすために、知っている言葉調べ
1つ目は、知っているつもりをなくす方法です。
知っているようで間違えて覚えている言葉や、なんとく聞いたことがあっても意味があいまいな言葉を自分のものにします。
この方法を、「国語が苦手。ふだん知らない言葉はほとんど調べない」というグループが試していました。
国語辞典をパラッと適当なページをめくり、そのページの知っている言葉を見つけたら自分で意味を考え、辞書に載っている説明で確認するという方法。
その言葉を、ふせんに書いて辞書にペタペタ貼っていきます。
高校生たちは、1日30分を2週間で、600~1000枚のふせんをはりつけていました!たくさんやったことが目に見えてうれしくなりますね。
実際にやった国語の苦手な高校生の感想は、
「知っている言葉が意外とあって楽しい。」
「辞書が意外とおもしろくて、じっくり読んでしまう。」
「ふせんが増えていくのが楽しい。」
などというもの。
やっていみると、意外と楽しい!となるみたいです。
この知っている言葉探しを2週間したあとに、知らない言葉調べに入るといいそうです。
実際にやってみるとこんな感じ。
調べた言葉の上に通し番号も書いておきます。
知っている言葉を調べるのは、楽しいですね。辞書の説明文も知っている言葉だと、イメージがつかみやすいので難しく感じません。
辞書をひくことへのハードルをひくくするには、いい方法だな~と感じました。
知っている言葉を調べていても、自然と知らない言葉も目に入りますしね。
知っている言葉調べ、知らない言葉調べは、中学生でもすぐに試せます!
毎日10分でいいので続けたら、語いが増えますよ。
知っている言葉調べを紹介してくれた先生の著書
小学生から辞書引き学習をする内容です。レビュー評価がとてもよいですね。文庫本も出ています。
2) ワードハンティング
ワードとは言葉、ハンティングとは狩猟。つまり、自分知らない言葉を探して調べる方法です。
この方法は、「国語の成績は平均点前後。知らない言葉はほったらかし」というグループが実践。
テレビや雑誌、新聞など身近な場所から、知らない言葉や知っていても意味のよく分からない言葉をハンティングして、ハンティングカードに書き込みます。
ハンティングカードは、テストの花道のホームページからダウンロードできます。
右上に、調べた言葉を書きます。左上は、その言葉の頭文字。
語意は、辞書で調べた意味。
例文は、言葉を見つけたときに書いてあった文。
出典は、どこで見つけたか。
採取日は、見つけた日。
問題意識メモは、「おもしろいと思ったこと」、「へぇーっと思ったこと」、「人にじまんしたいこと」など。
こんな感じで、書き込みます。
問題意識メモは最初は思いつかないかもしれないけど、なんでもいいから書いてみてください。
1日1語しか調べませんが、番組の中では4人の高校生が毎日SNSを使って、調べた言葉を共有していました。
仲間がいると続きやすいですね。
実際にやった国語の点数が平均的な高校生の感想は、
「まわりの言葉をよく聞くようになった」
「知識が増えた。」
「調べたいという気持ちが出てきた。」
などというもの。
紙に書いておくと、後から見直せますね。
そして、例文を書いておくことがとても重要!
どういう時に使うのか、雰囲気を感じることは大切です。
ワードハンティングも、中学生でもすぐにできますね。
新聞や学校の教科書で出てきた言葉、大人が話している内容から、など身近なとこから探してみてください。
3) 言葉の森で必要な言葉をねらい撃ち
この方法は、大学受験でよく使われる言葉に的をしぼって、言葉の意味を覚える方法です。
実践したのは、国語が得意科目、普段から知らない言葉は調べるグループです。
身近に接する知らない言葉は自分で調べるので、なかなか日常生活では出てこないけど入試には重要な言葉をたくさん覚えようというものです。
大きめの単語カードに、言葉とその意味・例文を書きます。箱の中にカードを入れて、くじ引きのようにひいたカードの意味・例文を答えてゲーム感覚で言葉の意味を覚えます。
中学生の場合は、四字熟語などでやってみたらどうでしょう?
公立高校入試では、わざわざ国語の言葉の参考書を買って難しい言葉を覚える必要はありません。
でも、四字熟語やことわざは知らないものが多いですよね?
でも、こういう言葉を覚えるのって、机に向かって参考書を真面目に読んで勉強するタイプのものではないと普段から思っていました。
この方法で楽しく覚えられたらいいのではないでしょうか?
感想と中学生にむけて
1つめの「知っている言葉さがし」はすぐにでもできますね。
この方法は、辞書をひくことに慣れていない中学生が、楽しみながら辞書をひくのに良い方法です。
慣れてきたら、普段の生活で知らない言葉を見つけたときに辞書でひくのもいいですね。
辞書の説明文は論理的で短くまとまっています。こういう文体に慣れていない中学生は論説文で苦戦するので、辞書をたくさん読むことで論理的な文章に慣れるという利点もあります。
2つめの「ワードハンティング」もすぐにできます。
自分が知らないからと今まで興味がなかった言葉にたいして、これはどういう意味だろう?知らない言葉を見つけた!と興味が出てきやすいです。
1日1つだと少ないと感じたなら、友達や家族でやって調べた言葉を共有するのもいいですね。
自分が知っていた言葉を相手が調べてきてもも、辞書で調べたらこういう意味なんだ~とか、こういう例文でも使われるんだ、と新しい発見があります。
3つめの「ねらい撃ち」は、1日9枚のカードをひくので、数多くの言葉を覚えることができます。
覚えていない言葉は、何度も繰り返し見る可能性が高いところがポイントですね。
知らない言葉を覚えやすいです。
ぜひ、四字熟語などで試してほしい!
語い力は、国語や他の教科だけでなく日本で生活していく上でとても重要です。
日常的に、語いを豊かにする生活をしていくと、世界が広がりますよ。